大判例

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東京高等裁判所 昭和51年(行ケ)83号・昭51年(行ケ)86号・昭51年(行ケ)87号 判決

審決に原告ら主張の取消事由があるか否かについて考察する。

1 原告らは、本件考案における分岐通路は流降通路8から二個の球受皿に球を誘導する上下の分岐通路10、12を意味し、また、その上下分岐通路はそれぞれ各球受皿とともに上下部球受皿部に含まれる旨を主張するが、前示一の本件考案の要旨中、いわゆる分岐通路に関する「遊技機の前面に数個の球受皿を設け、景品球容器から該球受皿に球を誘導する通路を分岐し」という構成がその個数、設置場所、形状等について原告ら主張の意味を有するものと解すべきいわれはなく、まして、これが上下部球受皿の一部に含まれることまで意味するものとは到底考えることができないのみならず、むしろ、その具体的態様については本件考案の要旨において何ら限定するところがないものと解するのが相当である。もつとも、成立に争いのない甲第二号証(本件考案の公報)によれば、本件考案の明細書中、考案の詳細な説明には原告ら主張の前掲記載があることが認められるが、同時にまた、その記載はいずれも本件考案の実施例の構成として示されているにすぎないことが認められ、他に特別の事情もないから、そのような実施例の構成をもつて本件考案の必須の要件を構成するものと解すべき筋合いはない。

一方、引用例に審決認定のようなパチンコ遊戯機の記載があることは原告らの認めて争わないところであつて、右パチンコ遊戯機における球の分岐通路の構成は本件考案の分岐通路の要件を充足し、両者の間には格別の差異がないものといわなければならない。

2 また、原告らは、本件考案においては、球の上部球受皿部への充溢を図るため、流降通路8内に片9、9′による間隙8′を特設している旨を主張するが、そのような流降通路の具体的構成は、前示一の本件考案の要旨に何ら規定されるところがなく、僅かに、前出甲第二号証により考案の詳細な説明に実施例として記載されていることが認められるにすぎないから、これをもつて本件考案の必須の要件と解することはできない。

したがつて、本件考案の要旨中、いわゆる流降通路に関する構成としては「上部球受皿部に球が充満したとき、過剰溢球が下部球受皿部に蓄積されるようにした」と規定されているに止まるものというべきであるが、引用例の前示パチンコ遊戯機における球の流降通路の構成は本件考案の右要件と全く同一であるといわざるをえない。

3 してみると、原告ら主張の審決取消事由は、結局、本件考案の必須不可缺の要件と解することのできない構成を前提とするものであるから、これによつて審決に違法があるということはできない。

よつて、AないしC審決の違法を理由にその取消を求める原告らの本訴請求を失当として棄却する。

〔編註〕 本願考案の要旨は左のとおりである。

遊戯(技)機の前面に数個の球受皿を設け、景品球容器から該球受皿に球を誘導する通路を分岐し、上部球受皿部に球が充満したとき、過剰溢球が下部球受皿部に蓄積されるようにしたことを特徴とするパチンコ遊戯機

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